KV Kortrijk/本人提供
【独占インタビュー】「本当に来て良かった」。高嶺朋樹がベルギーリーグでの半年で感じた手応えと現実|“狂犬”から“救世主”へ、3年ぶりの帰還
Writer / 黒川広人
Editor / 難波拓未
2024年の夏、高嶺朋樹は念願だったヨーロッパ移籍を果たした。移籍先のベルギー1部リーグ・KVコルトレイクですぐにレギュラーを奪取すると、チームの中心選手として全19試合に出場するなど、サッカー選手として充実の時間を過ごしていた。半年間となったベルギーでの時間で高嶺はなにを感じたのか?1mmの独占インタビューで明かしてくれた
(中編)
ベルギーで戦える手応えは感じていたが……。

──あらためて2024年の夏に柏レイソルからコルトレイクへ移籍した背景を教えてください。
本当にヨーロッパに行くラストチャンスだと思っていました。海外に行くと行かないとでは今後のキャリアに違いがあると思っていたなか、オファーをいただきました。強化部・社長・スタッフ・サポーターの皆さまには快く送り出してもらえただけに、半年で戻る形になったことは、申し訳なさがありますね。
──半年間のベルギー生活は、どんな時間でしたか?
非常に良い経験になりましたし、新しい環境に身を置いて、自分自身が成長できる環境だったと思います。チームメートに日本人が2人(金子拓郎、藤井陽也)いたことも助かりました。
──第2節のセルクル・ブルージュ戦でデビューを果たし、そこから全19試合に出場し続けました。この半年に点数をつけるとしたら?
先発出場した時は自分のパフォーマンスも総じて良かったと思います。チームの勝敗がついて来ない難しさもありましたが、70点ぐらいは与えていいかなと。
──ベルギーでの日々で、当初のイメージ通りだった点とギャップを感じた点は?
リーグのレベルで見ると、Jリーグって高いんだなと思いましたね。ベルギーは上位と下位クラブで大きな違いや差が出たりしますが、Jリーグはよりレベルが拮抗しています。戦術的にもJリーグのほうが整備されているので、ボールを動かすところや守備でのオーガナイズ、連動のところは日本のほうが洗練されていると感じました。一方、ベルギーは縦へのスピードや、前への選択肢がすごく多くて、決して上手くはないけど、そういう選手が多いという面白さもありました。
──ベルギーの舞台でも戦えるという手応えが強かった?
そうですね。チームとして整備されれば、また違う良さも出せたと思いますけど、個人としてベルギーで戦える手応えは十分に感じていました。
──高嶺選手はこれまでいろいろなポジションを経験してきましたが、ベルギーではボランチが主戦場でしたね。
攻守両面に絡めるところが自分の強みだと思いますし、ベルギーに移籍して、ずっとボランチで出させてもらって、「ここなら俺は負けない」と。特に守備のところでやれたと思っているので、やっぱりボランチだなと思いました。
──そういった手応えも含めてベルギーにチャレンジできたのは有意義だったかもしれないですね。
はい。本当に来て良かったです。日本だったら絶対に経験できなかったので。2025年の冬の移籍市場でも新天地に海外も選択肢に入れていましたが、札幌から声を掛けていただいて、自分のなかではこっちだなっていう感覚だったので札幌に決めました。
金子拓郎と藤井陽也との時間

──ベルギーではチームメートとして金子拓郎選手と藤井陽也選手といる時間が長かったと思いますが、どんな時間でしたか?
3人での生活はすごく楽しかったです。日本人がいる利点はすごくありましたし、彼らといることによって、外国人とのコミュニケーション量が少なくなった側面もありましたけど、お互いがお互いにとってすごくいい存在だったなと思いますね。
──3人のマル秘エピソードはありますか?
オフが3日、4日あれば、大体ヨーロッパ旅行に行っていましたね。3人でイタリアやドイツにも行きましたし、俺と陽也はロンドンにも行きましたし、すごく楽しかったです。ヨーロッパの生活は彼らとともに楽しめました。
── 海外に行くと、「最後を左右するのはメンタルだ」と選手たちから聞きます。
そうですね。リスペクトのない選手や、自分勝手な選手も少なからずいたんで。そういう選手に対して自己主張はしないといけないなっていうのはすごく感じましたね。自分でもそこは強くなったなと思います。日本ではそこまでの選手は中々いないと思うので、プレーで引っ張っていくのが一番かなと思いますけど。
── 仮に、今回の決断に関して、まだまだ高嶺選手がヨーロッパで挑戦する姿を見たかったという方々がいるとしたら?
気持ちはわかりますが、自分自身のキャリアなので自分で選択していきたいと思っています。ただ、レイソルの社長さんや強化部の方々は本当に快く送り出してくれたんで。その点においてはすごく感謝していますし、このタイミングで札幌に戻ることには、納得しきれない部分があるかもしれないのも理解していて、今回も事前に連絡をさせてもらいました。どう受け止めてくださるかは、これからの自分次第かなと思っています。
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