FC東京×ニューバランスで生まれる新たなシナジー|ニューバランス、進撃のグレー

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2024.06.26

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FC東京×ニューバランスで生まれる新たなシナジー|ニューバランス、進撃のグレー

田中達郎

Writer / 田中達郎

Editor / 北健一郎

2023年、FC東京からセンセーショナルなニュースが発表された。それは、新しいクラブエンブレムの発表だ。コンセプトは「継承と革新」。これはクラブにとっても、そしてサプライヤー契約を締結して4年目を迎えたニューバランスにとっても大きな挑戦のはじまりだった。
(第3回/全3回)

首都・東京で頑張るクラブを応援したい

遡ること2021年、コロナ禍真っ只中で社会情勢が苦しいなか、FC東京の新たなストーリーが始まった。

FC東京がニューバランスとのサプライヤー契約の締結を発表したのは、2020年12月2日。FC東京はこれまで1999年から2014年までアディダス、2015年からは6シーズンに渡りアンブロとサプライヤー契約を結んできた。

クラブにとってユニフォームとは、サポーターとの絆を深める重要な役割を担うものであり、そのデザインを大きく左右するのがブランドの存在だ。

酒井崇光さんは当時を振り返る

「アンブロさんからのブランドスイッチングは大きな話題になりました。関東圏のJ1クラブとは初めての契約でしたし、さらにFC東京さんは首都・東京が本拠地。多くの人の目に触れるこのクラブとの契約は私たちにとっても大きなチャレンジでした」

ニューバランスとサプライヤー契約を締結している世界のクラブに目を向けると、リヴァプールこそプレミアリーグの超名門であるが、スペインのセビージャ、ポルトガルのポルトは欧州では中堅クラブといった立ち位置だ。

これから未来を作っていく選手やチームと共に歩む。ニューバランスらしい美学を考えれば、未だJリーグ制覇を成し遂げていないFC東京も、そんな道なかばの成長クラブの一つと言えるだろう。

クラブの未来のために新たなチャレンジに踏み出すのは、常に逆風との戦いでもある。

「新エンブレムの歴史的瞬間に一緒にいさせてもらえるのは光栄ですし、身の引き締まる思いです。ただ単にエンブレムが変わっただけではなくて、クラブと一体となって動いていくことが大事。新しいエンブレムがファンサポーターのみんなにしっくりくるように、なるべくそういったものを作っていきたいです。どう変わって、どう良いのか。具体的にならないとわからないので、どんどん出していきたいという思いで、今回もこのイベントを開催しました」

愛したクラブのものが変わることは、どこのクラブがどう変えても絶対に賛否は出てくるものだ。酒井さんはその難しさを理解しつつも、

「首都・東京で頑張るクラブを応援したい」

覚悟をもった強い眼差しでそう語った。

5万の大観衆を前に若き戦士が躍動

ブランド体験型イベントが終わり、いよいよ注目のビッグマッチであるJ1第6節・FC東京vs浦和レッズが行われた。

国立競技場に集まった観衆はなんと4万9000人。

平日水曜日で多くの社会人は週の半ばであり、天候はあいにくの雨。観戦条件としては悪かったが、多くの熱いファン・サポーターがサッカーの聖地に集まった。

そんなビッグマッチに相応しく、夜空には小雨を吹き飛ばすほどのどデカい花火が打ち上がり、国立競技場は大盛り上がり。

FC東京の試合前お馴染みの『You’ll Never Walk Alone』が国立競技場に響き渡ったかと思えば、大応援団の浦和レッズサポーターも負けじと大合唱が始まり、盛り上がりは最高潮のなかキックオフを迎えた。

試合は、浦和レッズのFWチアゴ・サンタナのハーフウェーラインから放ったスーパーロングシュートが決まり、勢いは浦和に傾く。

しかし、目についたのは躍動するFC東京の攻撃陣だ。

今シーズンからFC東京に加わったU-23日本代表の荒木遼太郎がボールを持つたびに、スタンドからは大きな声援が飛び交った。

そしてもう1人、水色の派手なスパイクを履き、大観衆を前で堂々としたプレーに目を引かれた。

FC東京期待の新星、俵積田晃太だ。

積極果敢に仕掛けると、鋭い切り返しで浦和守備陣を切り裂き、スタジアムを熱狂させる気迫のこもったプレーを披露。とてもプロ2年目とは思えない堂々とプレーするその足元には、ニューバランスの『N』の文字が光っていた。

まだまだ道半ば、若手のイケイケアタッカーという点は、ニューバランスの美学にピッタリとマッチする選手である。ニューバランスとともに日本を代表する選手へと成長を遂げ、そのインパクトのある名前と力強いプレーで一気にブレイクするかもしれない。そんな期待を抱かせてくれる選手だった。

試合は見事にFC東京が2-1の逆転勝利で終了。未来の日本を担うであろう勢いにのる若手の活躍でファン・サポーターに勝利を届けた。

「FC東京がいつか優勝する時には、我々ニューバランスも一緒にいたい」

酒井さんが語ったその目標が現実のものとなる日も、そう遠くはないかもしれない。

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