ラ・リーガ公式
当選倍率22倍!?U-NEXTによるラ・リーガの初イベント「映画館でクラシコ観戦」の舞台裏に迫る!|U-NEXTが仕掛けるラ・リーガ超熱狂戦略
Writer / 北健一郎
2023年6月21日、世界最高峰リーグ「ラ・リーガ」の新ライツホルダーにU-NEXTが名乗りを挙げた。
同社としては初の欧州サッカー中継への参入に際し、2023年10月28日には、配信初年で最初の大一番、レアル・マドリーvsバルセロナの『エル・クラシコ』を盛り上げるべく、TOHOシネマズ新宿での無料ライブビューイングを開催した。
豪華実況・解説陣を迎え、映画館の大画面で伝統の一戦を楽しめる貴重なイベントには、応募枠を大幅に超える3000人以上の応募が殺到し、大きな反響を呼んだ。
今回、スペシャルイベントの仕掛け役を担った、スポーツ部フットボール担当の榎本耕次さんに話を聞いた。
(第1回/第3回)
サッカーへの“本気度”を示す
「10月28日の『エル・クラシコ』で観戦イベントができないか」
同社のラ・リーガプロジェクトメンバーの3人が、そんな話を本国から持ちかけられたのは、試合当日の約3週間前。無事に8月の開幕を迎え、配信の体制整備もようやく落ち着いた折のことだった。
榎本「U-NEXTはもともと、映画やドラマ、電子書籍などのコンテンツサービスです。ゼロからのコネクション構築やサービスのUI設計など、スポーツ中継に適したプラットフォームの設計も課題だらけのなか、どうにか開幕に合わせて配信をスタートしました。たしかに『エル・クラシコ』は、新規ユーザー獲得のチャンスでもあるので何かできればとは思っていましたが、リアルイベントを開催するには時間が足りないのではないか、と。正直悩みました」
それでも、新たなライツホルダーとしてリーグ側やファン・サポーターに“本気度”を示すきっかけになればと、「映画館でクラシコ観戦」という、U-NEXTならではのイベントの実施に踏み切った。
「楽しく本格派」をコンセプトに
ラ・リーガの配信を始めて、初の主催イベント。準備期間こそ短いものの、参加者をがっかりさせることがあってはいけないと、まずは会場選びから熟考した。
榎本「試合後に始発まで時間を潰せるように、なるべく栄えている街での開催にしようとは思っていました。何よりも怖いのは当日“ドタキャン”だらけになってしまうことなので、交通の利便性も考えて新宿に決めました」
また、ファン・サポーターはあくまで「試合を楽しみにしている」ことを念頭に置き、過度な演出や煽りを入れるのではなく「純粋に中継をいいなと思ってもらう」ことに重きを置いた。これは、自身も熱狂的な海外サッカーファンである榎本さんならではの、こだわりでもある。
榎本「『楽しく本格派』というコンセプトで、なるべく普段の配信に近い形にしたいと思っていました。一方、実況・解説の方に目の前で実演してもらうことで、より臨場感や演者さんの“サッカー愛”が伝わればいいと思い、林(陵平)さんと桑原(学)さんに会場に来ていただきました。」
予想を大幅に上回る応募数にリーグ側もさらに本腰を入れ、配布するノベルティの種類もどんどんと増えた。当初「18歳以上」で参加者を募集していたため、ビールの引換券の扱いに関しては手こずったと榎本さんは苦笑するが、イベント運営に携わる他部署にも協力を仰ぎ、直前まで調整は続いた。
“手厚さ”を感じてもらえるように
そして迎えた、2023年10月28日の23時15分。
新宿・歌舞伎町のシンボルでもある『TOHOシネマズ新宿』には、総勢150人の“マドリディスタ”と“クレ”が集まった。
榎本「やるからには、サービスの“手厚さ”を感じられるものにしたい」
できる限りのおもてなしを詰め込んだイベントは、大きなトラブルもなく幕を閉じた。
満席になった会場と試合を楽しむ参加者の表情、そしてSNS上での好評ぶりを確認し、榎本さんは、ほっと胸を撫で下ろす。
榎本「ゲストのSHONOさんも観客目線で一緒に盛り上がりながら、ブースと客席の橋渡し役として、上手に回してくださいました。行き過ぎた“お祭り感”が出過ぎることなく、いいバランスでうまくハマったんじゃないかなと感じています。参加できなかった3,000人の方に向けてもまたイベントをやりたいし、そこで僕たちの良さを知ってもらって、1人でも多くの方にU-NEXTでラ・リーガを楽しんでもらえたらうれしいです」
『ラ・リーガといえばU-NEXT』を定着させたい──。
大きなミッションへのチャレンジは、まだ始まったばかりだ。