なぜ、一般入試から激戦ポジションでレギュラーをつかめたのか?加速度的な成長を促した中西トレーニングの成果(小川遼也/2年・DF)|中西哲生×筑波大、技術“超”革命

難波拓未

大学サッカー

2025.03.04

  • X
  • Facebook
  • LINE

なぜ、一般入試から激戦ポジションでレギュラーをつかめたのか?加速度的な成長を促した中西トレーニングの成果(小川遼也/2年・DF)|中西哲生×筑波大、技術“超”革命

難波拓未

Writer / 難波拓未

Editor / 本田好伸

中西哲生とトレーニングすれば、選手は加速度的に成長する──。久保建英はもちろんのこと、筑波大学蹴球部の選手たちもそうだ。昨季の山内翔(ヴィッセル神戸)や、今季の角昂志郎(ジュビロ磐田)、田村蒼生(湘南ベルマーレ)、加藤玄(名古屋グランパス)など、Jリーグに進んだ選手たちにとって、進化のきっかけとなったのが「N14中西メソッド」だ。なぜ、選手は成長するのか?唯一無二の理論の真髄とは何か?「中西哲生×筑波大、技術“超”革命」で選手を覚醒させるメソッドの一端を紐解く。今回は、センターバック・小川遼也を紹介する。

世界を狙う選手必見!中西哲生が教える!
小学生対象「N14スプリングキャンプ」
映像審査申し込みは3月14日まで

“一般入試組”からJ内定コンビに割り込む

2024シーズン、筑波大学のセンターバック(CB)に“下剋上”が起きていた。

CBでの最多出場は、2520分出場した主将・福井啓太(4年、2025シーズンからRB大宮アルディージャ)ではなく、U-16からU-20までの世代別代表の常連であり、1230分出場した諏訪間幸成(3年、2026シーズンから横浜F・マリノス加入内定)でもない。カターレ富山U-18出身の小川遼也(2年)だ。彼は今季、2643分の出場を果たした。

小川のポジション奪取を“下剋上”と表現したのは、彼が“一般入試組”だからだ。

筑波大において、約30人のトップチームのメンバーのうち、25人前後が“推薦組”であり、一般入試を経てそこに名を連ねるメンバーは多くない。さらには、11人のスタメンを勝ち取る選手の中に一般入試組が入ることは少ない。小川は、少数派なのだ。

「最初から活躍できるような実力はなかったですし、2023シーズンもほぼ試合に出ることができませんでした。自分は、下にいた選手です」

2023シーズンのリーグ戦での出場はわずか3試合。プレータイムはフィールドプレーヤーの中で極めて短い5分だった。しかし、そこから小川は、2024シーズンの出場時間を“529倍”に伸ばしたのだ。

守備の要でもあるCBのポジションで誰よりも長くプレーし、チームを後方から支え続ける選手へと成長を遂げた。関東大学リーグ1部の第14節・東京国際大戦では、CKから初ゴールを記録。FW内野航太郎の折り返しに豪快なヘッドで合わせてみせた。

小川はなぜ、チームメイトやスタッフが驚くほどの飛躍を遂げたのか。

「自分でも、ここまで成長できるとは思っていなかった」

もちろん、彼自身のひたむきさが最大の理由だろう。ハイレベルな環境に飛び込んでも、気圧されることなく努力を続けてきた。そこに掛け合わさったのが中西哲生の指導だ。

N14中西メソッドとの出会いが、小川を次のステージへと導いた。

重心を下げない&左右差をなくす

小川は大学進学時に一度、自信を打ち砕かれている。

「自分は対人の強さが特長だと思っていたが、(出身地の)北信越レベルでしか発揮できていなかったし、大学に入って『特長でもなんでもない』と感じていた」

だが、その対人守備は、中西とのトレーニングでレベルアップした。

・重心の位置を下げないこと
・1歩目の左右差をなくすこと

N14中西メソッドの“必須項目”を体にすり込ませることで自身の変化を感じ始める。

「本当に少し練習しただけで、以前と違う部位が筋肉痛になり、新たな刺激だと感じた。徐々に練習での取り組みの成果を発揮できるようになったし、無意識にできることも増えた。インターセプトの出足も良くなり、対人守備の迫力が間違いなく上がった」

虎視眈々とポジションを狙う小川に転機が訪れる。2024シーズンに入り、守備陣に怪我人が出たことで、第2節から先発を任されるようになったのだ。

さらに、2023シーズンから福井との鉄壁コンビを築いていたCB諏訪間が、2024年8月からグロインペイン症候群で長期離脱を強いられることに。「2人がいるなかで、なんとか食い込んでやろう」と抱き続けた背番号29は、諏訪間の穴を完ぺきに埋めてみせた。

「『福井や諏訪間がいないから』という、彼らの不在を感じさせたくはなかったし、お手本にしてきた尊敬する2人に“追いつけ追い越せ”でやってきた成果が出たと思う」

小川がCBで定位置を確保した理由の一つは、シンプルに守備力の向上だった。

DFの選手であれば、あるいはCBの選手であれば、相手やボールが左右どちらに来ても遜色なく対応し、止めなければならない。ボール奪取、シュートブロック、インターセプトなども、“左右差”なしにこなせないといけない。気がつけば、最初の関門をクリアしていた。

世界を狙う選手必見!中西哲生が教える!
小学生対象「N14スプリングキャンプ」
映像審査申し込みは3月14日まで

「自分の可能性は無限大だと思えるようになった」

小川の進化は止まらなかった。

巡ってきたチャンスをモノにした小川は、攻撃面でも覚醒し始めたのだ。

N14中西メソッドで伸びたのは、守備だけではなかった。守備で両足を遜色なく使えるようになったことが攻撃にもつながり、「右利きで左足のキックが苦手だった」不安材料が、「自分の特長は両足のキック」と自信をもてるほどの武器になったのだ。

キックだけではない。小川はもう一つ「ドライブ」という武器を備えつつある。

「今、取り組んでいるのは運ぶドリブルです。ドライブできるCBになりたくて、哲生さんとは最近、そのトレーニングを続けています」

守備で相手の攻撃を防ぎ、最終ラインからのパスやドリブルによって、中央から攻撃を組み立て、起点となるプレーで己の価値を最大化し始めている。

「自分の可能性は無限大だと思えるようになった」

そう技術について語る小川の顔は、生き生きとしていた。

その高揚感こそ、中西との出会いによって生まれた感覚だった。

「この1年間で、哲生さんと出会って、関東リーグで試合に出続けて、自分でも思ってもみなかった場所に、哲生さんが連れていってくれることをすごく体感している」

入学した頃は、紛れもなく“下”からのスタートだった。しかし、自身の武器を磨き、新たな可能性に気づき、進化し、覚醒を続ける彼はこの先、どんな道のりを歩んでいくのか。

「行けるところまで行きたい。やっぱり日本代表のCBは一つの目標です。自分でも想像していない、想像できないようなところまで行きたい」

進化するCB小川の覚醒は、まだ始まったばかりだ。

世界を狙う選手必見!中西哲生が教える!
小学生対象「N14スプリングキャンプ」
映像審査申し込みは3月14日まで

SHARE

  • X
  • Facebook
  • LINE