守備の練習がサイド突破をレベルアップさせた?中西との出会いで進化した、世界を狙うSBの化学反応(池谷銀姿郎/2年・DF)|中西哲生×筑波大、技術“超”革命

難波拓未

大学サッカー

2025.03.06

  • X
  • Facebook
  • LINE

守備の練習がサイド突破をレベルアップさせた?中西との出会いで進化した、世界を狙うSBの化学反応(池谷銀姿郎/2年・DF)|中西哲生×筑波大、技術“超”革命

難波拓未

Writer / 難波拓未

Editor / 本田好伸

中西哲生とトレーニングすれば、選手は加速度的に成長する──。久保建英はもちろんのこと、筑波大学蹴球部の選手たちもそうだ。昨季の山内翔(ヴィッセル神戸)や、今季の角昂志郎(ジュビロ磐田)、田村蒼生(湘南ベルマーレ)、加藤玄(名古屋グランパス)など、Jリーグに進んだ選手たちにとって、進化のきっかけとなったのが「N14中西メソッド」だ。なぜ、選手は成長するのか?唯一無二の理論の真髄とは何か?「中西哲生×筑波大、技術“超”革命」で選手を覚醒させるメソッドの一端を紐解く。今回は、サイドバック・池谷銀姿郎を紹介する。
世界を狙う選手必見!中西哲生が教える!
小学生対象「N14スプリングキャンプ」
映像審査申し込みは3月14日まで

DFを超越した攻撃力で1試合2得点

池谷銀姿郎が、ホーム開幕戦に詰めかけた1,000人を超える観客の前で大爆発した。

2024年4月27日、筑波大で行われた関東大学リーグ1部の第3節・中央大戦に右サイドバック(SB)として先発すると、2ゴールを記録して3-0での勝利の立役者となった。

43分、池谷は自陣右サイドでルーズボールを拾って中央へパスを出すと、そのまま前線に駆け上がる。筑波大は左サイドを前進し、ボックス内の左からMF角昂志郎(2025シーズンからジュビロ磐田)が右足でクロス。これをセンターフォワードの位置まで攻め上がった池谷が打点の高いヘディングシュートで合わせてみせた。

79分、筑波大は細かいパスワークで左サイドを突破。パスを受けた池谷は、ボックス内手前から迷わずに右足を一閃。地を這うようなミドルシュートをゴール左隅に突き刺した。

2点とも、攻撃センスの高さを感じるものだった。

「1試合で2ゴールを決めたことはうれしかったし、セットプレーからの流れではなく、オープンプレーのなかで自分が攻め上がって点を取られたことも良かった」

元来は、ゴールを守ることで存在感を示してきた選手だ。横浜FCジュニアユース、横浜FCユースではCBとしてプレーし、2022シーズンにはトップチームに2種登録されている。世代別代表の常連でもあり、U-15、U-16、U-17とコンスタントに選出されてきた。

筑波大に入ってからサイドバックにコンバートしたが、守備陣の1人としてプレーすることには変わりなかった。しかし、関東大学リーグでは、DFの枠を超越した攻撃力を解放。チームは優勝を逃したものの、個人としては2年生ながらベストイレブンに選ばれた。

「2023年に諏訪間(幸成)くん(3年、2026シーズンから横浜F・マリノス加入内定)が2年生でベストイレブンを取って『すげえな、かっけえな』と思っていて。本当に取りたいシーズンだったのでかなりうれしかったですね。チームメイトに助けられながらではありますけど、一つの賞をもらえたことは、自分のなかでの目標を達成できた」
2024年は、池谷が自身の存在価値を証明するシーズンとなった。

世界を狙う選手必見!中西哲生が教える!
小学生対象「N14スプリングキャンプ」
映像審査申し込みは3月14日まで

左足での守備練習がドリブルにつながる

攻撃性能が急激に向上したのは、コンバートだけが理由ではない。もちろん、ポジション変更による意識の変化はあったものの、中西哲生との出会いも大きく関係していた。

「CBをずっとやっていたので、適応が難しいところも少なからずありました。CBよりSBのほうが攻撃を求められる。相手をはがしてからのアシストやゴールは、CBの時よりもこだわっていかないといけない。そこは哲生さんと最もトレーニングしたところです」

N14中西メソッドは、池谷の進化を加速させるものだった。

「哲生さんは『DFはもっとやれることがある』と言っていて、最初はインターセプトの練習など守備を多くやりました。そしたら、『インターセプト時に出る足がドリブルにも生きてくる』とも教えてもらいました。最初は左足を出しながらインターセプトする動作ができなかったのですが、トレーニングを積んでできるようになり、それは実際の試合でも生きました。哲生さんが来てから自分のプレースタイルの幅が広がったと思う」

実際に中西は、左利きの久保建英が右足での守備もできるようになることで、右足の技術やキックの向上になるという確信をもってトレーニングをしてきていた。「守備の練習をやるけど、結局それが攻撃の動きにつながっている」(中西)ことはN14中西メソッドにおいては周知の事実であり、池谷もまた、その成功体験を味わう選手となった。

関東大学サッカーリーグの最終節・駒沢大学戦では、左足のインサイドでボールを縦に持ち出すドリブルで何度も相手を突破し、チャンスを量産していた。

守備のみならず右サイドを突破する際のドリブルも洗練されていった池谷は、すでに大学レベルで大きな成果と手ごたえを得ているはずだが、その心に慢心はしていない。

「今の課題は左足ですね。以前までは(左足での)インターセプトやクロスが主な課題でしたが、左足でもゴールを決められたら、もっと良い選手になれると思います。相手にとって怖い選手、嫌な選手になれるように、もっと左足を磨いていきたい」

そう口にした後、池谷は中西と左足を使ったドリブルからの右足クロスの自主トレーニングに励んだ。中西の実演を見たりアドバイスをもらったりしながら、縦に突破してクロスを蹴り込む動きを繰り返していく。ひたむきに取り組む表情は、とても輝いて見えた。

期待されて入学した筑波大で2年生ながら主力としてプレーし、試合に出場するたびに存在感が増している。充実した日々を過ごす池谷が目指す先とは何か。

「筑波大にいる間に数多くのタイトルを獲りたい。卒業後は日本代表に招集されたいし、最終的にはプレミアリーグに行きたい。自分がワールドカップに出て、ゴールを決めたり、身体を張って守ったりすれば、日本のみなさんを勇気づけられると思う」

最後に屈託のない笑顔で、こう言った。

「たくさんの人から愛される選手になりたい」

N14中西メソッドに出会い、進化を遂げる大器のさらなる覚醒が楽しみで仕方ない。

SHARE

  • X
  • Facebook
  • LINE