ニューバランス提供/田中達郎
大谷翔平だけじゃない。NBがサッカー界に与えるインパクト|ニューバランス、進撃のグレー
Writer / 田中達郎
Editor / 北健一郎
日本サッカーの聖地が“グレー”に染まった。4月3日と7日、FC東京が浦和レッズと鹿島アントラーズの強豪クラブを国立競技場に迎えた2連戦。FC東京のサプライヤーを務めるニューバランスが国立競技場でブランド体験イベントを開催した。
(第1回/全3回)
NBの象徴カラーが生まれた理由
「グレーというニューバランスの根源にあるカラーをお祝いして、独自性をアピールしアイディアを伝えていきたい」
4月3日、国立競技場で行われたFC東京vs浦和レッズの試合開始の約2時間前、イベントの会見でそう語ったのは、ニューバランスのマーケティング部ディレクターを務める鈴木健氏だ。
鈴木氏は広告代理店でキャリアをスタートし、2002年に大手スポーツメーカーに入社。ゴルフの広告、PR等を経て2009年ニューバランスジャパンへ加わった。同社でブランドマネジメント、PR、広告などマーケティング全般に幅広く携わってきた、いわばマーケティングのプロ中のプロだ。
ニューバランスの根源とされるカラーのルーツについて話す。
「1970年代にランニングブームがあり、街中で走る人が増えました。ただ、当時は真っ白など明るくて派手な色のランニングシューズしかなかったんです。日常ではコンクリートやアスファルトの上を走ることが多い。その生活空間に溶け込むためにも、グレーのカラーにニューバランスがいち早く目をつけて、人々のライフスタイルに完璧にフィットした商品を出すことに成功しました」
生活シーンの中からインスピレーションを受けて商品化する。スポーツ業界の中でも珍しいポジションを取っているのがニューバランスの特徴である。スポーツとライフスタイルの交差点。ニューバランスにとってその象徴となるカラーが“グレー”なのだ。
衝撃を与えた“ブラジルの神童”との契約
会場内には壁一面に、ニューバランスが契約するグローバル及び国内トップアスリートの巨大パネルが並べられていた。メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースで活躍する大谷翔平も名を連ねる。
2023年のグローバル全体の売上が、前年比で23%増加し65億ドル(日本円で約9700億)に急増したと発表。伸び率23%という、業界内では驚異的な数字を叩き出した。ブランドの成長となった大きな要因の一つが、スポーツ界への投資だ。
そして2023年12月、ニューバランスがサッカー界を驚かせたニュースが、ある選手との契約だ。
「グローバル契約選手で一番注目されているのがサッカーブラジル代表の逸材、エンドリック選手です。17歳と非常に若く、大きな期待を寄せられている選手になります」と鈴木氏は紹介した。
サッカー界の強力なライバルを差し置いて、神童エンドリックと契約を結んだことで一気に業界の視線が集まったことは間違いない。
さらに会場には、5月の『Grey Days』に際してグレーカラーのサッカースパイクとフットサルシューズ等が展示されており、サッカー界へのさらなる進出に力を入れていることが伝わってきた。
「若手の選手を含めて、ニューバランスのスパイクを履くJリーガーやサッカー日本代表の選手をこれから増やしていきたいです」
会見終了後に取材に応じた鈴木氏は、微笑みながら日本サッカー界でのニューバランスの発展に期待を覗かせた。
※イベント取材時に撮影
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